欧米石油メジャーの経営資源の流れは変わるか
上流集中。欧米大手石油メジャーのここ10年来の動きはこの一言で表現していいだろう。一時は全体利益の8割以上を稼ぎ出していた原油・天然ガスの掘削、生産、開発部門へ経営資源を集中投入する一方で、石油精製以降の下流部門を縮小する動きが急ピッチで進んだ▼実際、シェルはイタリア、ノルウェーなど欧州やオーストラリアでの精油所の売却に加えて、アジアでもマレーシアの精油所を中国企業に売却している。エクソンモービルも同じ動きだった。アルゼンチンなど中央アメリカ6カ国での精油所売却に加えて、マレーシアでも精油所を売却、さらに日本の精製・小売り事業から撤退している▼だが、2014年からの原油価格の暴落に加えて、欧州企業を中心に上流集中のなかでもシフトが進んだ、天然ガス事業が欧州、アジアで予想以上に需要が伸びず不振だったことで、戦略の見直しが今後進む可能性をエネルギー専門家は指摘する▼とくに興味深いのが石油化学事業の見直し。石油メジャーにとっては石油化学事業はマクロ経済の動向と相関関係が強いため、景気循環の影響を受けやすく扱いにくい事業との評価があった。だが、石油化学事業の底堅さは、上流へ上流へと動いた経営資源の流れを変える可能性もある。石油メジャーの動きは今年の注目の1つだろう。(18・1・26)
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